二重サッシは、二つのサッシを取り付けた窓のことです。設置をする目的は断熱や外からの音を遮るためです。寒い地域ではどの家にも内窓が取り付けてあります。最近では暖かい地方でも、防音のためや、夏の日差しを遮るために内窓を設置しています。このほかにも内窓は「結露」の防止するためにも、取り付けられます。

結露とは、温度差によって起きる現象です。高い温度では空気が含んでいられる水分の量が多く、外の低い温度では少量しか水分を含むことができません。そのため、冷たい窓に部屋のあたたかい空気がぶつかると、温度が下がり、保持できる水の量が変わってしまいます。この時に現れる「余った水分」が結露の正体です。

内側にもう一枚の窓を設置すると、二枚のサッシの間には空気の層が作られます。部屋のあたたかい空気は、窓の間で作られた空気の層により、直接冷たい空気に触れずに済み、熱を逃がしません。空気に含まれる水分が水滴に変わることを避けられるため、結露の発生が抑えられます。

家の窓に内窓を設置する場合、どの窓ガラスを選べばよいのでしょうか。住宅やマンションに使われる窓ガラスは、単板ガラス、ペアガラスなどがあり、ホテルやビルでは緑がかったフロートガラス（表面が滑らかで平らなガラス）の使用が多くみられます。結露を防止するガラスでは、ペアガラスと呼ばれる複層ガラス（二枚のガラスを使う）が多く用いられています。

ペアガラス（複層ガラス）は二枚のガラス板で作られた窓ガラスのことです。単板ガラス（一枚のガラス板で作られる窓ガラス）の窓と比べて、ペアガラスは2倍もの、熱を遮る効果を備えます。この熱の出入りを防ぐ性質は、ガラスが作る空気の層が熱の移動を減らし、外からの熱を遮ることで生じるものです。ペアガラスでは、空気の層で結露が起きてしまうこともありません。ガラスの中に入れる空気は乾燥させ、水分のない空気が使われています。

ペアガラスには、Low-Eガラスという特殊な製品を用いて作られます。二枚のうちの一枚を、金属で覆うことで熱い太陽の光を遮るものです。温度の上昇を抑えることで冷房を使う時間も少なく、電気代を抑えられるメリットがあります。

各家庭で使われている二重サッシ（二重窓）はどのような製品が売られているのでしょうか。二重サッシ（二重窓）の取り付けに使われている商品を二つ取り上げました。工事費用や結露を解消する機能や、製品ごとの特長から自宅やマンションに合う内窓を選んでください。

ペアガラスの内窓です。一枚のガラスにLow-Eガラスを使用します。樹脂製の窓枠を用いることで熱の伝わり和らげ、断熱性を維持し、結露も防ぎます。この製品はLow-Eガラスの配置によって二つの種類に分かれています。

・Low-E複層ガラス グリーン（高遮熱型）
外側のガラスを特殊な金属で覆い、室内に入る熱い日差しを遮ります。紫外線は82％をカットし、床・家具・カーテンの日焼けを防いでくれます。この内窓は日の当たる西側などに最適です。冬には二重窓の効果で、熱を逃がさず、あたたかい室温を保ちます。また、ガラスの間には乾燥剤を入れて奥ことで、空気に含まれる水分を取り除いて、結露もしっかりと防いでくれます。

・Low-E複層ガラスクリア（高断熱型）
内側のガラスを特殊な金属で覆う内窓です。あたたかい熱は冷たい場所へ移動する性質があります。そのため金属で覆われた窓ガラスが外へ逃げる熱をはね返すことで、あたたかい室温を保ちます。

インプラスの内窓を付けた場合、年間で11万～12万円ほど電気代を節約できます（住まいは東京）。
参考：LIXILホームページより(http://www.lixil.co.jp/lineup/window/inplus/low-e/)
暑さや寒さ、結露の掃除から解放されるだけでなく、家計への負担も減らしてくれます。

作業時間は60～90分です。※オーダー品につき納期まで約2週間がかかります。工事費は、商品代【見積もり要】+作業代14,000円～です。忙しい方でも一時間弱の作業時間なら、仕事の合間の休憩時間に立ち会うことで、取り付けが完了します。

サッシの中にアルミを使い、外側にはPVC（ポリ塩化ビニル）樹脂製のカバーを取り付けた内窓です。耐久性と断熱性を備えています。窓枠はこれまでの製品より10mmも細く、内窓を取り付けても部屋への圧迫を軽減した商品です。防音性に優れ、約40デシベルの騒音をカットします。ホームシアターを取り上げる雑誌が主催を務める「ホームシアターグランプリ」では、6年連続で金賞を受賞するなど、小さな音の変化を聞き取れるほど、AGC旭硝子「まどまどstd」は防音性の高い内窓です。この内窓にはいくつかの種類を取り揃えていますが、ここでは結露を改善する内窓を紹介しましょう。

・Low-Eペアガラス 断熱タイプ
内側のガラスにLow-Eガラスを使った製品です。防音性と断熱性、夏の日差しを弱める遮熱性も備えています。結露の発生は、室温20℃、相対湿度60％の室内で、外気温－21℃まで防ぐことが可能です。

・Low-E合わせペアガラス
この製品は外側のガラスにLow-Eガラスを取り付け、室内側のガラスは、二枚のガラスを用いる「二重構造」でできています。このガラスは樹脂製の膜を挟むことで、防音性が強化され、紫外線をカットし、カーペットや床を日焼けから守ります。さらに割れにくい性質を持つため、防犯対策も役立ちます。窓につく水滴は外気温－26℃まで防ぐことができ、結露対策もしっかりと取られています。

作業時間は60～90分です。※オーダー品につき納期まで約2週間の時間がかかります。工事費用は、商品代【見積もり要】+作業代14,000円～です。まどまどシリーズには「まどまどplus」という性能の高い商品も取りそろえています。静かな環境にこだわる方は、こちらも検討されるとよいでしょう。

ここまでは二重サッシ（二重窓）を新しく取り付ける場合を説明しました。内窓がすでに設置してあり、内窓をペアガラスに交換する場合には、どのくらいの作業時間や費用がかかるでしょうか。

Low-Eガラスを使い、遮熱と断熱タイプから選べます。このほか、防火・防災・防犯・防音・盗難時の保証までついた製品を用意します。部屋の特性や階数に合わせた選択が可能です。

作業時間は30～60分です ※オーダー品につき納期まで約1週間の時間がかかります。工事費は、ガラス代【見積もり要】+作業代9,200円～です。

単板ガラスで使われていたサッシのまま、Low-Eペアガラスの取り付けが可能です。このガラスは、断熱性・遮熱性に優れ、結露の発生も防ぎ、紫外線もカットします。二枚のガラスで作る空間には乾燥させた空気はありません。なかにはアルゴンガスが入れてあります。熱を伝えにくい性質のため、空気よりも熱の出入りを抑えてくれます。

作業時間は、30～60分です ※オーダー品につき納期まで約1週間の時間がかかります。工事費は、ガラス代 【見積もり要】+作業代9,200円～です。

ガラスのみの交換であれば、内窓の取り付けにかかる程度の時間で新しいガラスに換えることができます。現在取り付けてある窓を新しいものへ換えると大きな出費が伴います。また、サッシごと取り換える場合は半日から一日も待たなくてはなりません。二重サッシ（二重窓）は、室内を圧迫することなく、結露から守り、工事費用も14,000円からと手ごろな価格から取り扱っています。光熱費の節約と過ごしやすい室内も手に入ります。結露に悩む方には、二重サッシ（二重窓）の取り付けや交換がおすすめです。